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今年もドラマ化ですね! 筒井康隆著「時をかける少女」  [本]

ジュブナイルの傑作はラベンダーの香り


時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)今日紹介する作品は今更感が多分にありますが筒井康隆さんの短編名作「時をかける少女」です。日本の児童文学(ジュブナイル)の草分け的作品であり、これまで何度も映像化されてきた誰もが知っている名作です。今年も日本テレビがジャニーズの若手のアイドルを起用したドラマを放映し始め、出版から50年近く経っているにも関わらず繰り返し映像化の話題が出るたびにこの作品が持つ普遍性を感じずにはいられません。では、早速あらすじをどうぞ!

放課後の理科実験室で割れた試験管から漂ってきたラベンダーの香りで気を失った和子は時間と場所を飛び越えられる不思議な力を手に入れる。謎に満ちた体験を通じて和子はこの不思議な力を手に入れるきっかけとなった試験管が割れた時に向かって時の遡り始める。そしてその瞬間に出会った意外な人から伝えられる真相、そして時空を超えた淡い恋を知る。

先にも書きましたがこの作品は110ページ前後の短編小説です。これまで映像化されてきたのは全てこの原作をベースにアレンジされた物なので、映画やドラマ、アニメから「時かけ」の世界に入った人には大分物足りないと思います。しかしながら学校生活の様子やクラスメイトとのふざけ合ったりするシーンは現在のそれと全く変わらず古臭さはあまり感じさせません(一部言葉使いが年代を感じさせますが、気にならない程度です)。

SFという頭でっかちになりがちな物語をシンプルで15歳という思春期の少女が持つ特有のちょっと驚くほどの大胆さや、和子の友人であり理解者の一夫と吾朗の友情、そして不思議な経験に混乱する3人の状況を整理しタイムリープとテレポーテーションを説明し導く担任の福島先生の説明など、全てが爽やかに分かりやすく書かれています。作品が連載された雑誌が和子達と同じ年齢を対象にしていたこともあり非常に読みやすく、当時この連載を読んで目を輝かせていた少年少女達のドキドキ感は相当だったんでしょうね。通常の筒井作品だとブラックユーモアが入ったり風刺が入ったりするのですが、この作品には一切それがないのもポイントです。

和子に不思議な力を与えるきっかけになったのラベンダーの香りがする薬品の作り手は遠い将来から来た未来人ケン・ソゴルという不思議な人物で、その人は物語の中で誰かは読んでからのお楽しみです。この彼と和子のやり取りが物語のクライマックスになるのですが、とにかく凄い初々しくて良いんです。書かれた時代が50年近く前ということもあり、とにかくピュアで切なく、穢れない恋心が読み手に「キャー♪」って言わせちゃう位純粋なんです。でも残念ながら二人は別の時間を生きているので当然そう簡単には結ばれませんが、このケン君、和子への想いを簡単には諦めない素敵な少年なんですね~。

とにかく素敵な物語なんですが、当然筒井作品らしく物語のその後が気になる終わり方をしているので、その後和子とケン君がどうなったかを色々妄想して楽しむのも良いかもしれません。あっという間に読めちゃう作品なので、「時かけ」好きなら原作も読んでおくことをおススメしたいと思います。やっぱり、淡い青春の恋はラベンダーの香りで決定です!!

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 文庫

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コメント 2

arkstar

原田知世版を最初に観たので、あれがある意味基本だったりします。
ラストシーンが二人の切ない出会いになってるので、青春だなぁって思います。
(深町くん(ケン・ソゴル)にとって、あのシーンは別れの直後って気もしますが)
by arkstar (2016-07-19 20:23) 

as

>arkstarさん、ようこそ!!私は残念ながらその映画を見たことがないんですよね。テレビで放映されるドラマなら見たことがあるんですが。名作として名高い作品なので、いつか見てみたいですね。
by as (2016-07-20 21:43) 

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