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今年一番面白かった本は、これ!!「王への手紙」 [本]

王道の物語、主人公と共に読み手も成長できます 


王への手紙 (上) (岩波少年文庫 574)児童文学シリーズの最後を飾るのは、オランダの女性作家トンケ・ドラフト作「王への手紙」です。オランダでは過去50年間に発表された児童文学の中で最も素晴らしい本として一番に選ばれ、現在オランダの本屋さんには必ず置いてある超人気作であり、映画化までされている素晴らしい物語です(日本未公開なのが残念!!)。物語の途中に登場する挿絵も作者の手によるもので、物語の世界のイメージを作るのに一役かっています。

この「王への手紙」は今年私が読んだ本の中で、ダントツの一番面白い本でした。こんなに面白い本が日本ではあまり有名ではないのが残念なくらいで、読んでいるうちにすっかり物語の世界に没頭してしまい、上下巻と分かれているにもかかわらず一気に読んでしました。では早速物語のあらすじを紹介します。

16歳の見習い騎士のティウリは騎士に叙任される前夜の祈りの儀式中、助けを求める修道士から隣国のウナーヴェン王国の国王宛の手紙を託される。その手紙を受け取ったティウリは一人教会を抜け出し手紙を届ける旅に出る。道中正体不明の騎士達に襲われたり、関所で囚われの身にったりと沢山の危機をむかえるが、己の勇気と「手紙を届ける」という強い決意、そして自分を導く”何か”を信じ、ティウリはウナーヴェン王国を目指し進む。そして少年ピアックとの出会いと友情、手紙に隠された真実、そしてティウリとピアックを執念深く命を狙うスパイや殺し屋の襲撃等数々の困難を二人は知恵と勇気で乗り越え、衝撃の事実が二人を待ちうけているウナーヴェン王国へと向かうのです!!

あらすじだけをみてもわかるように、完全に少年が旅を通じて心身ともに成長していく冒険物語です。ティウリの迷いや悩み苦しむ時は読み手も一緒に苦しみ、ピアックとの強い友情と信頼から途中くじけそうになるティウリが再び立ち上がる強さを取り戻す時は読者も一緒に立ち上がることが出来る王道の物語です。テンポ良くハラハラドキドキが続くので読み手の心臓には悪いですが(苦笑)。そしてこの本の素晴らしさは”何事も自ら考え決めること”の重要さを説いています。こういう本を小さい頃から読むと、あのオランダ特有の国民気質”自己責任”が自然と養われていくんだなぁと感心しました。

旅の途中ティウリは多くの人に出会い、その出会いから多くのことを学びます。特に旅の中間地点で出会う隠者メナウレスやウナーヴェン王の道化ティリロなどがティウリに投げかける言葉はどれも印象的で、読者の心にズバッと入ってきます。特に道化のティロリはティウリやピアックの心を読んでいるかのような観察眼と、彼独特の言い回しで強いメッセージを放ってきます。騎士になるべく長い間父の盾持ちとして過ごしてきたティウリは、手紙を届けて欲しいという頼みを聞いてしまったばかりに騎士になれるかどうかも分からない不安な気持ちを抱えていることを見抜いたティロリは、真の騎士道精神とは何か、騎士とは王から叙任された人間だけがなれるものなのか、結果だけが全てではなく辛い旅路から学んだことや経験にも意味があるのではないか、とティウリの心に明かりを灯します。この道化のティロリ、なかなか出来る男です。もちろんこのティロリの正体を知った時にティウリと一緒に読み手もビックリすること間違いなしです。

「王への手紙」は岩波少年文庫から上下巻で発売されていて、中学生以上という読者の年齢の目安がありますが、この物語にハマるのは多分子供以上に大人ではないかと思います。特に男の人は絶対に好きだと思うので、子供の頃に戻った気持ちで読んでみることをオススメします。そしてここで注意が一つ。この物語には「白い盾の少年騎士」という続編がこちらも上下巻であります。

王への手紙.JPG
4冊並べるとこんな感じです。

この「王への手紙」を読む場合は先に「白い盾の少年騎士」もしっかり買ってから読見始めることをオススメします。というのも、あまりにも「王への手紙」が素晴らしく、読み終えた瞬間からまるで中毒にもでかかったかのように続編が読みたくなるからです。私も金曜の夜に読み終わり、そのままAmazonでポチリました。我が家の近所の本屋さんには岩波少年文庫の扱いが少なく売っていないので、即ポチです。日曜日には届いたのですが、それまで禁断症状がでてました(笑)

主人公ティウリの成長と一緒に読者も成長できて面白い冒険物語、大人も子供も楽しめる本です。お子さんのクリスマスプレゼントに、はたまた冬休みに読む本としてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。勇気ある少年が旅を通じて成長していく姿を見ていると自分も成長しているような、そんな不思議な魅力をもった物語、今年一番のオススメです!!

王への手紙 (上) (岩波少年文庫 574)

王への手紙 (上) (岩波少年文庫 574)

  • 作者: トンケ・ドラフト
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/11/17
  • メディア: 文庫
 
王への手紙 (下) (岩波少年文庫 575)

王への手紙 (下) (岩波少年文庫 575)

  • 作者: トンケ・ドラフト
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/11/17
  • メディア: 文庫

白い盾の少年騎士〈上〉 (岩波少年文庫)

白い盾の少年騎士〈上〉 (岩波少年文庫)

  • 作者: トンケ・ドラフト
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/11/16
  • メディア: 単行本
白い盾の少年騎士〈下〉 (岩波少年文庫)

白い盾の少年騎士〈下〉 (岩波少年文庫)

  • 作者: トンケ・ドラフト
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/11/16
  • メディア: 単行本

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コメント 4

yasu

初めまして。
プログ楽しく読ませていただきました。
古い記事でしたが、私も同じ思いを
ティウリにもっていたのでうれしかったです。
又、おじゃまします。
ありがとうございます。

by yasu (2016-01-01 08:45) 

as

>yasuさん、ようこそ!!サトクリフの作品はどれも大人も楽しめる作品ばかりですよね。あまり日本では有名ではないのが残念ですが、子供が本から学べることって多いと思うので、ぜひ多くの人に読んでほしいと思える作品です。
by as (2016-01-01 15:19) 

ファンタジー好き

はじめまして。
王への手紙、私も大好きです。
最近、図書室のお手伝いをしてこの本を見つけ、虜になりました。
続編は置いてなかったので、amazonでポチしました。
よかったですよね。
私は本が大好きで、いろんなジャンルを読みますが、ファンタジーが一番好きです。
一番の愛読書は指輪物語(ロードオブザリング)です。映画になる前からの愛読書だったので、映画になったときはびっくりしました。
王への手紙の映画は、他の方のブログに付いていた予告を見ましたが、ティウリがイメージぴったりで、DVDでもいいから見たいなあと思いました。
私はマヌケのマリウスも好きです。
続編でも重要なところで登場して嬉しかったです。
また、お邪魔します。


by ファンタジー好き (2017-01-30 16:32) 

as

>ファンタジー好きさん、ようこそ!!「王への手紙」良いですよね。結局映画は見れずじまいですが、原作のイメージと一緒というのは嬉しい驚きです。指輪物語は長編大作ですね。私はあまりファンタジー作品を読まないのですが、一度はまるとどっぷりとはまる世界ですよね。

by as (2017-01-30 21:00) 

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